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2021.04.30

シロアリの被害から大切な住まいを守るために!シロアリの特徴や被害内容、対策方法を解説

毎年4~5月はヤマトシロアリの活動時期です。羽がついている蟻を見ると「シロアリかもしれない」と心配になる人も多いでしょう。
シロアリの被害にあっている自宅をそのままにしておくと、土台や柱などの家の土台部分がどんどんボロボロになっていきます。
結果、腐朽した分部の取り換えなどの出費がかかるだけでなく、耐震性能が損なわれるリスクも。
シロアリ対策をして、大切な自宅をシロアリから守りましょう。
この季節に活発化するシロアリの特徴とシロアリによる被害、対策方法について解説します。

1.羽アリってなに?春先に羽アリを見かけたら要注意!

代表的なシロアリには、「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類があります。
4~5月に活動が活発になるのが、ヤマトシロアリです。関東地方でもっとも多いシロアリでもあります。
この季節に家の周りで羽アリを見かけた場合、知らない間に自宅がシロアリにむしばまれているかもしれません。
ヤマトシロアリ・イエシロアリ、それぞれの特徴、羽アリを見たときの対策方法を解説します。

●ヤマトシロアリの見た目の特徴
ヤマトシロアリの見た目や活動内容には、以下の特徴があります。
・兵隊アリの頭の形が円筒型
・羽アリは胴体がずん胴でくびれがない
・羽アリは羽の大きさが上下でほぼ同じ

この特徴に当てはまらない場合は、ほかのシロアリまたは黒アリの可能性があります。

●ヤマトシロアリの活動時期や好む環境
見た目の特徴に加えて、以下の時期や環境で見かけた場合にはヤマトシロアリの可能性が高いです。
・4月中旬~5月
・北海道の一部を除く日本全土に分布
・雨上がり
・気温が高い、蒸し暑い
・無風状態、またはほとんど風がない
・午前中で上の条件が整っている
・壁などの隙間から羽アリが出てきた
・羽が地面に散らばっている

ヤマトシロアリは壁などの隙間から出てきたあとに、羽の片方を落とします。
羽についているフェロモンで雌をおびき寄せてつがいになるためです。
上記の条件がそろっていて、窓辺や室内などに大量の羽が落ちていた場合、自宅がヤマトシロアリにむしばまれている可能性があります。

●イエシロアリの見た目の特徴
イエシロアリの見た目や活動内容には、以下の特徴があります。
・兵隊アリの頭の形が卵型、噛みついてくる、ヤマトシロアリより大きい
・羽アリは黄褐色の体に乳白色の羽

イエシロアリもヤマトシロアリ同様役割に応じて階級に分かれている社会性昆虫です。9割が働きアリで、ほかのシロアリと見た目は変わりません。一方、兵隊アリと羽アリはほかのシロアリと異なる特徴があります。兵隊アリはヤマトシロアリよりも3~4mm体が大きく噛みついてくる、羽アリは木材と同じような体の色をしているのが特徴です。

●イエシロアリの活動時期や好む環境
見た目の特徴に加えて、以下の時期や環境で見かけた場合にはイエシロアリの可能性が高いでしょう。
・6月~7月
・西日本を中心とした温暖な地域(日本の北部にはいない)
・繁殖率が高い
・気温が高い、蒸し暑い
・湿度が高い
・夕方~夜

イエシロアリは寒さに弱いため、西日本の温暖な地域に分布しています。限られた地域にしか分布していない一方、女王アリが毎日数百個の卵を産みつけるため繁殖力が非常に高いことが特徴。見つけたら早期の駆除が必要になります。気温が高く蒸し熱い環境を好むのはヤマトシロアリと同じですが、活動時期は6~7月の夕方から夜という違いがあります。

2.住宅に恐ろしい被害をもたらすシロアリ

ヤマトシロアリ・イエシロアリにかかわらず、シロアリは木材を食べる習性があるため、巣を作られると建物に大きな被害をもたらします。
シロアリによる住宅被害には、以下の2つがあります。
・建築物の歪みや傾きの原因になる
・震災で倒壊しやすくなる

順に解説していきましょう。

●建築物の歪みや傾きの原因になる
シロアリが建築物の木材を食い荒らすことで、建築物の歪みや傾きが起きてしまいます。
シロアリにとっての栄養は、木材に含まれる「セルロース」です。
木造住宅はシロアリにとって栄養素のかたまりともいえます。
シロアリによる食害が進んでいくことで、住宅の柱や土台がボロボロになり、歪みや傾きが発生します。

●震災で倒壊しやすくなる
シロアリが食い荒らす土台や柱は、住宅にとっての骨格、構造部分です。
食害が進むことで基礎がボロボロになり、耐震性能がどんどん低下していきます。
シロアリの食害が深刻な場合は、地震発生時に住宅が倒壊する可能性があります。
いつ地震が発生してもおかしくない震災大国の日本に住む限り、シロアリによって倒壊の危険性が高まっている状態は、非常に危険であると言えます。

3.大震災で倒壊した家の多くはシロアリの被害があった!

阪神大震災では、約25万棟の建物が倒壊によって全壊または半壊の被害に見舞われました。
死者6,434名のうち、約8割の方の死亡原因が倒壊した建物による圧死です。
圧死をもたらした建物倒壊の原因の多くには、シロアリによる被害が関わっているといわれています。

震災後に行われた国土交通省の研究機関などの調査によると、震災によって倒壊した住宅の大半がシロアリ被害や木腐朽被害などで耐震強度が低下していたことが分かりました。
・「シロアリ被害・腐朽あり」の家屋…9割が全壊
・「シロアリ被害・腐朽なし」の家屋…2割程度が全壊、5割以上の住宅が軽微な被害ですんでいる

シロアリは土台である1階の柱と土台の継ぎ目を集中的に食べる習性があります。
そのため、耐震性を発揮する土台をシロアリがむしばむことで、住宅の耐震性の極度な低下につながっていました。
事前に住宅に対してシロアリ対策など適切な対処をしておけば、住宅倒壊の被害をもっと減らせた可能性があります。

4.シロアリの点検・再施工の目安は5年

住宅のシロアリ対策として有効なのが、まずはシロアリ予防(防蟻工事)です。
シロアリ予防はシロアリが発生しそうな場所に薬剤を散布、もしくは設置して行います。
シロアリが発生すると駆除作業をしなければいけませんが、食害の範囲によっては作業が多くなるため工事の期間も長くなり、費用も多くかかります。
食害が深刻な場合は、部品の取り換えやリフォームも必要になるため、予定外の費用も発生しやすくなります。

シロアリ予防はシロアリ駆除よりも費用が安くすむので、シロアリの被害に合う前に、継続的にシロアリ予防(防蟻工事)をしておくことが、結果的に費用面でも割安になるといえるでしょう。

●シロアリ予防は5年周期で行う
公益社団法人日本しろあり対策協会が認定する薬剤(散布用)の有効期限は5年間です。
そのためシロアリ予防は5年周期で行うことが推奨されています。
薬剤の有効期限を過ぎると、シロアリに対して十分な効果が発揮できません。
シロアリ予防から5年が経ったら、再度シロアリ点検や予防をしておきましょう。

●鉄筋コンクリート造でもシロアリ予防を
シロアリは木材を食べる習性があるため、鉄筋コンクリート造の住宅にシロアリ予防は不要、と考える人もいるかもしれません。
シロアリは住宅のわずかな隙間から侵入します。鉄筋コンクリート造の住宅の床下は気密性と保湿性が高いため、湿気の多い場所を好むシロアリが巣をつくる条件がそろっています。
鉄筋コンクリート造の住宅も、シロアリ予防を行うようにしましょう。

●もしもシロアリが発生したら防除工事を
万が一、シロアリが発生しているならすぐに防除工事を行いましょう。
シロアリを放置しておくと、食害の被害がどんどん進んでしまいます。

シロアリの被害を最小限におさえる、または未然に防ぐのが積和建設の防除工事です。
シロアリが好む床下やお風呂場など目の届きにくい箇所を調査した上で施工を行います。
調査の結果、もしシロアリによる被害が見られた場合は、建物の強度が落ちている可能性があります。
十分に耐震診断を行ってから、防除工事と合わせて、耐震補強工事も行うようにしてください。

シロアリによる食害は、住宅の傾きや歪みのほか倒壊も引き起こす可能性があります。

事前にシロアリに対する予防をするのが重要です。
「羽アリを見かけた」「長くシロアリの点検や予防を行っていない」など、もしかしたらシロアリがいる可能性があって不安な場合は、まずシロアリの点検を受けましょう。
早めに対策することで、シロアリによる被害を最小限におさえられます。